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金融庁「内部統制報告制度に関するQ&A」(追加分24問)のサマリー

こんにちは、えみちーです!
先週末は都内の桜が満開となりましたね。
四季を感じられる日本ってすてきだな~と思います。

さて、4月2日に金融庁より「内部統制報告制度に関するQ&A」の追加分24問がリリースされました。平成19年10月1日に公表されたQ&A(20問)、平成20年6月24日に追加公表されたQ&A(47問)を合わせるとトータル91問!かなりのボリュームになりましたね。

3月決算の会社は期末日を過ぎましたが、この時期にリリースされるだけあって、
今回のQ&Aはかなり具体的で、参考になる情報が満載です!
ということで、今日の記事は、今回リリースされたQ&Aのサマリーです。

【今回追加された主なQ&A】
①「重要な欠陥」の判断(問68~70、75、77)
②子会社の売却・業績悪化等により重要な事業拠点の選定指標が一定の割合に達しない等の場合の取扱い(問73、74)
③内部統制報告書の記載内容(問101~107)

 ⇒具体的な記載例があります
④その他

この中でも、注目すべき①~③について以下にまとめました。

【サマリー】
①「重要な欠陥」の判断
各問の内容をまとめると、たとえ財務報告に虚偽記載があっても、会社内で原因を特定し、誤りを訂正できるのであれば重要な欠陥とはされず、逆に、誤りの原因を特定できない、また原因を探すこともしないような体制であれば、誤りを発生させた内部統制上の金額的・質的重要性を勘案して重要な欠陥になるかどうかを判断する、ということです。
(以下、各問の回答です。)
◆財務諸表監査による指摘(問68)
財務諸表監査で決算数値等の誤りが指摘されたとしても、すぐに重要な欠陥に該当しない。
◆財務諸表等のドラフトへの指摘(問69)
監査人との協議を目的とするドラフトの場合、協議の過程で重要な虚偽記載が発見されたとしても、重要な欠陥に該当しない。
◆決算短信の訂正(問70)
決算短信公表後に虚偽記載を訂正したとしても、有価証券報告書が適正に開示されれば、重要な欠陥には該当しない。
◆売掛金の残高確認(問75)
監査人が期末日を基準として行った売掛金の残高確認において、得意先への売掛金の照会結果と帳簿残高とに差異があった場合、会社が既にその原因を解明の上、差異の調整を実施し、適切な残高に修正している場合には、重要な欠陥には該当しないが、会社が当該差異の原因を明らかにできない場合や適切に差異の調整を行い残高の修正を行わないような場合には、内部統制上の不備によるものとして、重要な欠陥となり得る場合がある。
◆判断指標の変更(問77)
企業の状況に応じて連結売上高等の指標等を変更することはできるが、恣意的に変更することは適切ではなく、特に、予め定めていた指標を年度途中で変更する場合には、監査人と十分協議し、変更にあたっての合理的な理由が必要である。

②子会社の売却・業績悪化等により重要な事業拠点の選定指標が一定の割合に達しない等の場合の取扱い(問73、74)
◆子会社の売却等の場合(問73)
重要な事業拠点に該当するとして評価範囲にしていた子会社を期末日直前に売却等し、評価範囲から除外した結果、期末日時点において、連結ベースでの売上高等の一定割合(例えば、概ね2/3)に達しない場合でも、当該事情を考慮して予め評価範囲を決定していたと認められれば、新たに事業拠点を追加する等、評価範囲を見直す必要はない。
◆業績悪化等の場合(問74)
評価対象年度における業績悪化や期中の大幅な為替変動等の結果、期末時点で、売上げ等の合計が一定の割合(例えば、概ね2/3程度)に達しなくなる場合も、計画段階で前年度の売上高なども参考に当期の業績予想も一定程度考慮して適切に評価範囲を決定したのであれば、全社的な内部統制が有効であることを前提として、一定割合(例えば、概ね2/3)を著しく下回らない限りにおいて、当期の内部統制の評価範囲を見直す必要はない。

③内部統制報告書の記載内容(問101~107)
Q&Aに記載されている記載例を参照下さい!(サマリーは割愛します。)
なお、①~③以外で、内部統制報告書の作成に関するQ&Aを、以下の通り整理しました。
◆財務最高責任者の決定(問80)
内部統制報告書における「最高財務責任者」とは、会社内において役職に関係なく、
「財務報告に関して代表者に準ずる責任を有する者」をいい、会社ごとに任意に定めればよい。
 ちなみに・・・
 Q&Aの記載例(問102)では、副社長が最高財務責任者となっています。
 3月27日に公表された日本和装ホールディングス株式会社の内部統制報告書では、
 「当該事項はありません」と記載されています。

◆内部統制報告書提出の取締役会の承認(問81)
内部統制報告書の提出の際に、取締役会の承認は必ずしも必要なものではない。
経営者が適切な内部統制報告書を提出できるように取締役会等が監督・監視することは、全社的な内部統制として重要だが、その方法は会社によって様々である。
◆統合された監査報告書の写しの添付(問82)
財務諸表等の監査報告書と内部統制監査報告書が統合された監査報告書、及び、内部統制監査報告書は、有価証券報告書の連結財務諸表のみに添付することとし、内部統制報告書には添付しないことに留意する。(参照:内部統制府令ガイドライン7-3)


以上です。
3月決算の会社はいよいよゴールが見えてきましたね。今回のQ&Aで、これまで不明だった点が明らかになり、最終評価の具体的なイメージができました。えみちーのクライアントもこれから内部統制報告書を作成しますが、Q&Aを参考にしながらしっかりサポートしていきたいと思います!

by sox_change | 2009-04-07 18:32 | ・SOX法マメ知識

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